●鍼灸治療の現状

多くの皆さんは鍼灸治療の経験が無く、受診に不安をお持ちかと思います。

鍼灸治療には、非常に多くの治療法があり、皆さんも10件の鍼灸治療院で治療を受けてみると、その治療法の違いに驚かれると思います。

ほとんど鍼を刺さない治療法があるかと思うと、30㎝を超える長い鍼を使用し深くまで鍼を刺す治療法もあり、1本~数本の鍼を使用して治療する治療法から数十本の鍼を一度に身体に刺しておく治療法もあります。

手首の関節の所で病状を判断する(脉診と言います)治療法から、全身の状態を観察する治療法、西洋医学的な筋肉や神経に着目する治療法から、古代の中国の診断方法で診察する治療法…等々、現在、恐らく、鍼灸治療は数百を超える治療法があるのではと思われます。

また、神経に響くような強い刺激をする鍼治療から(この響く刺激がたまらない…という方もおられます)、全く痛くない鍼まで手技も様々です。

鍼灸治療ですから、お灸の治療もありますが、現在では、昔のように直接皮膚に置いた艾(もぐさ)に火を点けるのではなく、台座の上に艾を置いて火を点ける温灸と呼ばれる熱くなく暖かいお灸をするところや、お灸そのものをしない治療院も増えています。

当院の鍼灸治療はほとんど痛くありません。

痛いと感じる方には、より細い鍼を使用します。

(ただ、鍼が皮膚を通るときに、少し痛みを感じる場合がありますが、皮膚を通ってしまえば全くと言ってよいほど痛みは感じません。幼児でも鍼治療を痛みを感じないで受けています。また、ほとんどありませんが、少し神経に触れることがあり、その時に、痛みが発症することがありますが、すぐに抜きます)

当院では、原則としてお灸は致します。

お灸は、鍼治療の効果の継続や冷えに対して効果があります。

直接火が皮膚に付きますから、少し熱さを感じますが、非常に小さい艾ですので、チクッと感じるくらいです。

ほとんどお灸の痕も残りません。

それでも熱いと感じる方は、温灸に換えます。

鍼灸治療は、非常に効果のある治療です。

上述しましたように、様々な治療法がありますので、是非、皆さんご自身に合う治療法を見つけていただきたいと思います。

 

また、当院の治療を選択下さった方は、是非、お待ちしています。

看板猫の‘ビワ丸’です

旧看板犬の故‘むす美’です


●当院の治療内容

当院では、故長野潔先生が独学で体系立てられ、東西両医学の融合を目指された「長野式治療法」と、世界十数ヵ国でセミナーを持ち、世界屈指のハーバード大学医学部から招聘され東洋医学の講座を持たれた松本岐子先生が体系立てられた「キ-子スタイル」を中心に治療をしています。

 

長野潔先生は、脉診の名人と言われ脉を診るだけで多くの患者さんを治されました。

長野先生が2冊の著書を著された折、著書の校正に携わり、その傍ら先生の臨床を見聞きしたのが縁で「長野式治療法」を取り入れています。

しかし、先生の脉診は正に名人芸であり、とても真似できるものではありません。

大分在住の世に全く知られておられなかった名人長野潔先生を見いだしたのが、長野潔先生の愛弟子松本岐子先生です。

まさに、鍼灸のために生を受けたとも言える松本先生は、腹診(腹部や背部の圧痛や緊張を診て診断治療します)の大家であり、松本先生が難解な長野潔先生の脉診を多くの鍼灸師が取り入れ易い腹診で診断、治療出来るように翻訳されたために、「長野式治療法」が世に広まるようになりました。

ですから、当院では、主な診断・治療は「キ-子スタイル」で行い、治療の理論的背景は「長野式治療法」を取り入れて治療に当たっています。

 

鍼灸治療(東洋医学)は、西洋医学と根本的な治療概念が異なるために、症状や愁訴、また病気や身体に対しての見方やアプローチ方法が異なってきます。

 

例えば、不妊治療で婦人科器の卵巣や子宮の機能不全があった場合、西洋医学では卵巣や子宮そのものをターゲットにしていきますが、当院の鍼灸治療では、なぜ、卵巣や子宮に機能不全が起きたのか…という原因に着目していきます。

虫垂炎手術の既往がある場合は、その手術痕によりソケイ部が圧迫されたり引っ張られたりして婦人科器に負担がかかり、機能不全が発症した…ということがあります。

この場合には、虫垂炎の手術痕の引き攣れ(ひきつれ)の痛みを改善し、東洋医学では虫垂は‘脾’に関係があるとされ、‘脾’の治療を行い、婦人科器への負担を軽減させ、本来の卵巣・子宮の働きを取り戻し、強化させ、妊娠に至らせる…という治療法を取ることがあります。

 

スノーボードによる打撲で、様々な症状が起こることがあります。

腰痛や頸部痛などの運動器に関する症状だけではなく、打ち所によっては、うつ病などの精神的疾患、婦人科疾患、甲状腺疾患などを発症することもあります。

 

このように、手術の後、あるいは、交通事故の後やスノボーによって強い打撲の後などに、様々な症状が発症してきたが病院に行っても検査では何も無い…というような「あのとき以来身体がおかしい…」という症状は、鍼灸治療が得意とする分野の一つです。

この症状は、手術、事故や打撲などが起こった後すぐに発症するとは限りません。

数年、あるいは、十数年経ってから発症することもあります。

手術痕や傷痕、打撲した部位を押すと痛みがある、他の皮膚と感覚が異なる、無感覚である…などの場合は、その傷はまだ生きていて身体に何らかの負担をかけ続けている場合があります。

まさに、「傷は生きている!」という状況です。

この生きている傷を治すと、様々な症状が改善、消失していきます。

「あのとき以来身体がおかしい…」を、鍼灸治療が解決してくれます。

 

当院では、患者さんの全身を、問診や身体の発する症状、圧痛(押圧すると痛みが発症すること)などを通して、原因となる事柄を探し改善させていく治療を取り入れています。

ガンや感染症、出血のある傷の治療などは鍼灸治療の範囲外ですが、ガンの手術後の傷の痛み、感染症に罹り難くするための免疫力の強化、負傷後の傷の痛みや、負傷後に今までに無かったような症状が発現した場合などは、上述しましたように鍼灸治療が奏功することがあります。

その他、上記のように西洋医学とは身体の捉え方が異なりますので、精神疾患、婦人科疾患、内分泌疾患…等々、様々な疾患や症状に鍼灸治療がご尽力出来ることが多々あります。

当院の患者さんの7割~8割は女性であり、小学生から90歳を超える方までが来院されています。

生理痛など生理に関しての異常、不妊、更年期など、あるいは、女性特有の頭痛、冷え、不定愁訴など女性の一生に鍼灸治療は長く、深く関わってきました。

症状や愁訴が酷くなる前に、是非、鍼灸治療を受診してみて下さい。

「鍼灸治療は、女性にとても優しい治療です」

治療に関しての質問なども、遠慮無くお問い合わせ下さい。

 お待ちしています。